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「4月新生活スタート:思い出話」 

2013.04.04

店主の思い付きコラム

昨日、今日と、お店の前を新社会人の方々であろう人たちが大人数で

歩いてらっしゃるのを良くお見かけする。中には慣れない革靴で少し

足を引きづって歩いてらっしゃる方もチラホラ。なんとも微笑ましい

光景につい昔を思い出してしまう。

私は学生時代から大学はロクに行かず、洋服屋で四六時中バイトを

していた。そしてそのままその会社に卒業と同時に正社員として

雇っていただいた。だから緊張とか新生活といった、皆が感じるであろう

ドキドキや不安もそんなになく、いきなり仕事に入ることが出来た。

だから私は大学3年や4年の時の、いわゆる就職活動と言うものをしたことがない。

実際に就職活動と言うものをしだしたのは、その会社を泣く泣く辞めて、

(送り出していただいた社長やスタッフの方々に今でもこれからも感謝 して

おります。)将来の目標に向かって、”進路は東へ~~~♪♪”と熱い想いで

住む家も、友達も、親戚も、知り合いも、貯金も何も無い状態で、バック一つで

故郷山口県から夜行バスに乗って東京へ向かった。

もちろん就職先は全く決まってもいない状態で、、。

まるでフォークソングの世界だ。

奇跡的な出会いがいくつも重なり住む家は確保できた。

(その話はいつかするとして。。)

最初はビックリするくらい面接に落ちた。面接までしてもらえるところ自体が

少なかった。ほとんど履歴書の段階で落とされる。東横線の祐天寺と言う

駅に住んでいて、代官山は自転車で15~20分で行ける。当時の代官山は

それはもうお洒落のかたまりで、毎日のように行っていた。

代官山のほとんどのショップを受けたのではないかと思うくらいに

受けた。もちろん全部落ちた。その時代は入口のガラスの下あたりに

自然といつも目がいく習慣が抜けなかった。それは、大体その位置に

スタッフ募集の張り紙がしてあるからだ。

今思えば、落ちて当然だと思う。”四国の愛媛の松山で学生時代洋服屋で

バイトしてました”って言われても、「で?、、、、」で終わりである。東京で

店長時代にその時代の自分が面接に来たら間違いなく落としていたと思う。

どんなに就職がなくても、コンビニでバイトするのは自分が許せなかった。

服屋でやるために東京に来たんだ!と何度も言い聞かせた。

なぜか一番最初に決まったところがテイジンメンズショップ”横浜店”だった。

東京を見たくて来たのに、東京のレベルを体感したかったのに、なぜ横浜?

家から渋谷までは10分なのに、逆方向の神奈川県に1時間もかけて通勤している。

不思議な状況の中だったが、服屋で働くことに意味を持っていた。

さあ、初めての新社会人。右も左も分からない。言葉もバリバリの山口弁で

標準語が全くしゃべれない。正直ワクワクはなかった。ドキドキしかなかった。

店長や先輩方の人間関係や、それぞれのキャラに順応するだけで1週間

がたった。正直何の仕事もこなせていない。。。。

そんななか入社1週間でまさかの移動。

「明日から銀座で働かないか?」

今思い出しても、あの時の驚き、いや恐怖とまで言えるような緊張感は

今でも忘れられない。

「え?!、、銀座って、”銀座本店ですか?」

聞けば、本店のスタッフの方が一人退社されたそうで、

人数穴埋めに僕が行くこととなったらしい。

まさかの展開。しかも言われた次の日から。

本店と言えば日本メンズファッション界において泣く子も黙る老舗ショップ。

ほかのテイメンとは全く品揃えから何から何もかも違う。

もう本当に右も左も全く分からないままただただ与えられたことを

必死でこなすことだけで必死だった。先輩達の話している服の

内容が、宇宙語か!?と思うほど、全く分からない。

自分は割と洋服の知識があるなんて、少しでも思っていた自分が

恥ずかしい。全くレベルが違う。

(数年後に分かったが、その先輩たちが東京の中でも突出して

すごかったんだとわかった。)

ファッション業界、特に小売業において、入社してくる人は、

全てファッションが好きで入ってくる。趣味を職業にしようという人しか

入ってこない。先輩たちの話を聞きながら、”もしかしたら自分は

服が好きではないのではないか?”という疑問をも浮かんでくる。

でも知らないことが毎日出てきて、毎日教えてもらっての生活が

とても面白かった。毎日160円のかけそば一杯だけの生活だったし、

毎日23時くらいまで仕事だし、帰ったら24時は平気で過ぎてるし、

振り返ると何気に大変だったんだろうという感じだが、

当時の僕には色んな事を吸収している自分が楽しくてしょうがなかった。

仕事から家に帰っても3時4時まで本を読んで勉強する毎日。

分からないことをまとめて、次の日先輩に質問する。

するとコチラが思ってた以上の答えがどの質問にも帰ってくる。

先輩やお客様からご指摘をいただきながら、段々標準語も

しゃべれるようになってきた。最初はずっと裏方の備品管理や配送業務、

お直し出しや伝票整理が仕事だったが、そのうち上顧客様に顔合わせ

していただいたり、接客させていただいたり、段々と仕事の幅を広げていただいた。

なんか色々なことを思い出します。新社会人の皆様も今から人生全く知らない

世界が始まると思います。僕の思い出話をしていると本になるくらい

長くなってしまうのでこのくらいにして、もし新社会人の方が一人でもこのページを

見てくれたら、なんか嬉しいです。

僕も初心を忘れずに、今まで同様、今まで以上に、ファッション道を

前に前に匍匐前進しながら進んでいきたいと思います。

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