皆さん、こんばんは。
イタリア・ナポリのハンドメイドのシャツを紹介します。
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世界の中で、デニムは岡山、グッドイヤーシューズはノーザンプトンというように、
製作場所としての”聖地”のようなところが、各アイテムには存在します。
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手縫いのシャツの聖地は「ナポリ」です。
今回は、その「ナポリ」の中でも最高峰のシャツを紹介します。
こちらです。
サックスブルーのロンドンストライプ。
王道ですね。
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シャツ一枚でもすでにオーラがあるシャツです。
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もちろん方はギャザーで、肩回りの立体を作り、
「腕の可動域」をミシン縫いのそれより1.3倍に高めています。
手で丁寧に寄せながら、肩回りの立体を作っていっています。
身頃の脇回りの外周ぐるりよりも、シャツの縫い合わせてる生地の
外周の方がはるかに大きく、それにより、脇回りはすっきり
スマートに見せて、それでいて腕の可動域を極限まで広げることを
しています。
本物は、袖の生地分量を、袖付けの前身頃より、袖付けの後ろ身頃の
方を多くとり、ゆったりさせています。
ただ手縫いでやりましたというような、なんちゃってナポリシャツは
見た目だけのギャザーで終わっています。それは売るためのヴィジュアル
効果を狙ったもので、実際に着心地、腕の可動域にあまり効果が無いです。
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襟のコバステッチも見事です。
ここまで際まで攻めて、しかも美しいステッチは、なかなか本物にしか
出来ないことです。
ジャケット着た時の、Vゾーンに見える襟が、圧倒的に素敵に見えます。
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ボタンホールももちろん手縫い・
美しいです。
生地に対して並行ではなく、少し斜めに穴を作って手でかがってあります。
これは、ボタンを、締めやすく、外れにくくするために、昔の職人が
考えた知恵です。
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袖口もきれいにギャザーにしてあります。
イタリア系、ハンド系シャツの鉄則は、カフ周りは「ピタッ」と着る。
というのが基本です。ほぼ手首に空間無しで着ます。
カフが移動することを良しとしないのがイタリア流。
その代わり、袖丈を眺めにとって、腕の可動域を確保しています。
良く、”イタリアシャツは袖が長い”なんて言われたりしますが、
なぜか?という理由は、先ほどの通り、カフの外周が狭いからです。
なぜそのような理屈なのかというと、二つ。
1つは、その方が着心地良いから。(生活の中でストレスが無い)
2つ目は、その方がカッコいいから。
だから、袖丈が長いから袖丈を詰めようという発想は、本物の
職人が作るナポリシャツに対して失礼です。
袖丈を詰めるのではなく、カフ周りをボタン移動して
カフをぴったりなるように調節するというのが正しい調整の仕方。
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背中のギャザーも丁寧。
腕は前にしか動かさない。腕を前に動かしたときに、
肩甲骨周りを引っ張ることになる。その肩甲骨周りにゆとりを
持たせて、腕の稼働を気持ちよくさせる。
一方、前身頃は面積が小さい。
前身頃対後ろ身頃は、1:1ではない。前が小さく、後ろが大きく
作ってある。
それも何も、ジャケットを着た時に「美しく」、そして「着心地良く」
するための知恵だ。
先ほどのカフ周りと袖丈の関係性も同じ。
ジャケット着た時に、袖が長いなんて見えない。
そもそも人前でジャケットを脱ぐなんて失礼なことはしない。
カフが一定の位置で固定され、決まっているから、腕を動かしても
カフは移動しない。ジャケットの袖に中で、シャツが生地が伸びたり
たるんだりしてるだけ。見た目は常に美しい。
身頃も同じ。
Vゾーンに見えるシャツ生地は極力ゆとりがなくすっきりしてた方が
美しい。ジャケットを脱がないから、背中に余裕がとってある。
常に美しく、そして着心地がいい。
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そういう美意識で「本物」は作られている。
「美しさ」と「着心地」。それを最高峰にさせてこそ「本物」の
手縫いシャツと言える。
”ナポリシャツに、身頃が緩いから、背中にダーツを入れて別注しました”
なんてウソみたいなことをしてるシャツが日本にはあふれているが、
職人に対しての侮辱と、文化や知恵を理解してない、商売だけ考えた
なんとも残念なものだ。
そういうことをいろいろ言いだすと各箇所で残念なことがいろいろある。。
だからこそ敢えて「本物」のナポリシャツと読んでいる。
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極少しかないが、是非店頭で「着て」確認してほしい。
「服は着ないと分からない」
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『 ナポリ 手縫いシャツ サックスロンスト 』
■価格 : ¥44,000-
(カード支払い可(JCB/AMEX以外)
(「○○円券」使用不可)
■SIZE : 40
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同じ工房のシャツで、色柄違いも店頭にはちらほらあります。
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