6月テーマ : 『 ”感覚”の重要性 』
2014.11.20
「文化を創る」
ファッションにおいてよく語られるワードがあります。それは”センス”です。
「センスが良い」とか「センスが優れている」とかいう言い方をします。
スポーツやその他の分野でも、この「センス」というワードはよく使われ
ますよね。
通常なんとなくのイメージで使われるこのワードは、そのほとんどにおいて
”才能”としての意味合いで受け止められています。
”才能”は、「持って生まれたもの」という意味の強い言葉です。
(*余談ですが、もちろん天才というレベルの生まれつきの方も
いらっしゃいます。TV情報によると、天才の生まれる確率は
1万人に1人いるらしいです。結構いますよね。
私もファッション業界に長く身を置いている中で、数人”天才”的センスの
持ち主に出会いました。しかし、今回の話とは別の話です)
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私はファッションにおいて、「センス」=「感覚」として捉えています。
「感覚が良い」、「感覚が優れている」という意味合いで考えると、
ファッションはもっと面白いものになると思います。
そして重要なのは、
「感覚」は磨くことが出来るということです。
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「感覚」こそファッションを楽しむためのとても重要な要素です。
私たち日本人はとても勤勉で真面目な気質ゆえに、ファッションに
おいてもかなり勉強熱心です。ファッション雑誌も充実している為、
ファッションのプロではない方々のファッション知識(蘊蓄)レベルは
世界一だと思います。
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しかし逆に知識レベルが高いがゆえに、自分の着こなしにおいて
”知識”でコーディネートしたり、”知識”で購入したりしがちなのも事実。
”知識”はファッションにおいてとても重要です。
しかし、一番ではありません。”知識”は着こなしに
”深み”や”味わい”を与えるものであり、センスのその先にあるものです。
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ファッションにおいて、知識は”深み”や”味わい”をもたらしてくれるもの。
その前に、大事なるのはやはり「感覚」です。
服を着たときに、
「あ、これ良いな!」
「ん~、これは違うな。」
このうちから湧き出る感覚の積み重ねが
自信のアイデンティティを表現するものになるのだと思います。
ファッションを楽しむ、一番単純で究極の方法ではないかと思います。
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視点を変えて、食事で例えると、野菜の切り方の知識や、
フライパンの温度の知識、隠し味の知識なども大事ですが、
食べたとき「美味い!」が一番大事だと思います。
まず「美味い」。そこでなぜ「美味い」かを探ってみると、
色々なテクニックや知識があることに気付く。
これが大事なんだと思います。
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着こなし方のセンス以外に、
”時代の空気を感じる”こともセンスだと思います。
コチラも同様に、センスは磨くことが出来ます。
ファッションスナップを見たり(視覚)、
実際に自分でも着てみたり(視覚・触覚)していくことで
センスは磨かれます。
その際に大事なことは、”何気なく着ないこと”。
ちゃんと自分はどう感じるかを”感じながら着ること”。
なぜこれを着たのか明確な”理由を持って着ること”。
その積み重ねがセンスを磨きます。
私もまだまだ磨き続けています。
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もう一つ。
世の中で最高と言われるモノを経験してみること。
”最高のモノを体感する”ことは、感覚を磨く最高の方法です。
「体感」=「体で感じること」こそ感覚を磨く最良の方法だと思います。
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知識ももちろん重要です。
しかし、まず第一に、自分から湧き出る「感覚」を大事にして
ファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。